AI搭載IoTシステム「Gravio(グラヴィオ)」とは?〜月額500円からIoTセンサー「無償貸出」込みで実現する「エッジウェア」の世界~
この記事は1年以上前に書かれた内容です。
Gravioの機能・画面キャプチャーなどの情報が古い可能性があります。
最新情報は、Gravioオンラインマニュアルをご参考ください。
下記ブログ記事もご参考ください。
【初心者が10分で実践するIoT・第一回】Gravio 4でCO2センサーを設定してデータ取得する方法!
Gravioはアステリア株式会社が開発・提供している、AI機能を搭載したエッジコンピューティング型のIoT統合ソフトウェアです。
IoTデータの取得、加工、連携はもちろん、取得したデータをもとにしたIoT機器の制御までを簡単に実現できる製品です。
特長としては、次の3つが挙げられます。
- 月額500円でセンサーキット貸出付き。とにかく悩まず簡単・手軽にIoTデータを活用
- AI/ML技術を内蔵したエッジコンピューティング技術を採用
- 洗練されたGUIとノーコードによる簡単設定
とはいえ、この説明だけでは抽象的でわかりにくいですね。
順を追って、具体的に説明していきます。
月額500円でセンサーキット貸出付き。
とにかく悩まず簡単・手軽にIoTデータを活用
現在、市場では、様々なIoTソリューションが展開されています。例えば、工場の機器監視(スマートファクトリー)、身近なところではトイレの空室状況把握や会議室の管理(スマートオフィス)など、様々な情報を可視化したり、情報をもとに次のアクションを実行したり、次々と新しい”センサー”や”データ”の活用法が生まれています。
しかしながら、やりたいことは”シンプル”でも、ソフトウェアやセンサーの設定、使用するネットワークの検討、データの保存・活用方法など、実際に実装しようと思うと意外と苦労するのではないでしょうか?
例えば、Raspberry Piを活用して様々なセンサーデータを収集する場合を想定します。
Raspberry Piは、Linuxが利用可能な小型シングルボードコンピュータです。
低コストで、汎用性が高く、入手しやすいため、IoT実証実験の際によく用いられます。
いざRaspberry Piを使用してセンサーデータを収集しようとすると、センサーの設定、データを取得するためのコードの記述、データを蓄積するためのDB(データベース)の作成などで、結構時間がかかります。実際、私がOSインストール~温度センサー設定~データ取得までをRaspberry Piでデプロイしてみたら、ほぼ丸一日かかってしまいました。このことは、IoTを短時間で試してみたい、という場合においてハードルとなっている可能性があるのではないでしょうか?
IoTをより簡単に活用するためには、センサーの選定、データの取り込みは非常に重要ですが、星の数ほどもあるセンサーの個別設定は非常に難しいものです。
そこで今回は弊社側が認証済センサーを無償貸出することといたしました(日本国内・有償版のGravioのみ)。
これにより導入の簡易さを格段に向上させました。更にGravioでは対応センサーに接続するための手順やデータの取得方法などをGravio自身が持っているので、プログラムをする必要は全くありません。また、データを一時的に保管するためのデータベースも内蔵しています。
したがって、簡単な設定を行うだけで、すぐにIoTデータの収集を始めることが可能です。
なお、月額500円の有償プランでは、各種センサーを4つまで無償貸出しています。
「温度データを収集したいけど、どうやってセンサーを手に入れればいいかな?」と悩む必要はありません。
センサーの手配から、センサーデータ収集・活用まで、Gravioが全てカバー致します。
まさに、一気通貫、All in Oneのエッジウェアです!
AI/ML技術を内蔵したエッジコンピューティング技術を採用
エッジコンピューティングとは、利用者に近い場所にコンピューティングリソースを分散配置し、通信と負荷の最適化を図る手法です。集約化を図るクラウドコンピューティングと比較して即時性に優れるため、IoT利活用シーンでも期待されているテクノロジーです。
Gravioではそのテクノロジーを活用しております。
具体的に、エッジコンピューティング技術によってGravioがもたらす3点のメリットをご紹介いたします。
1.外部のネットワーク環境に依存しない安定したデータ処理
Gravioは、エッジ内で処理が完結するため、外部のネットワーク環境に依存しない安定した処理が行えます。
常に通信が発生するクラウド側ですべての処理を実行する方式と異なり、ネットワークの遅延による影響を受けないので、外部ネットワークとの接続が不安定な環境においても、安定してデータを処理し続けることができます。
2.短期間で簡単にIoTをスタート
Gravioは1台のPC内で処理を完結できるため、様々なサーバーを設置せずに手元のPCのみで簡単かつ迅速にIoTをスタートできます。
また、クラウド側とのデータ送受信に必要となるネットワーク設計に意外と手間がかかるのですが、それが不要となることも大きなメリットです。
3.コストメリット
3点目の特長は、クラウドを利用するために必要となる費用がかからないことによる、コストメリットです。
Gravioはエッジ側で各種処理を行うため、センサーとPC間、PCとデバイス間で通信が完結します。
もちろん外部のシステムにデータを渡すような場合は通信を行いますが、ほとんどの処理はGravio内で完結されるため、ネットワークコストの削減が可能です。
更にGravioでは、画像AIによるソフトウェアセンサー機能を新たに搭載し、エッジ内で画像を元にした推論が可能となっています。これにより、エッジコンピューティングならではの特長が更に強化されました。ソフトウェアセンサー機能の詳細は、今後掲載する記事にてご説明致します。
洗練されたGUIとノーコードによる簡単設定
Gravioは良好な操作性を担保するため自社開発のGUIを採用しており、直感的に操作できるように設計されています。
このGUIは、アステリア (株)が提供している、国内シェアNo.1を誇る”ノーコード”のデータ連携ツール「ASTERIA Warp」の技術を採用しています。
センサーデータを簡単に収集したいというシンプルなニーズに対し、Gravio上でアイコンを並べるだけで処理の流れが実装できるため、センサーやプログラミングに関する専門的な知識がなくても、簡単にIoTデータを収集することが可能です。
さらに、Gravioではセンサーデータをもとにした一連の動作を設定した後も、変更処理などが簡単に行えます。
例えば、人感センサーから取得するデータに基づいて、照明の点灯制御を行う場合を想定します。
同様の動作をするシンプルな例として、ガレージなどで使われている人感ライトがあります。人の動きを感知したら数秒間点灯する、などの限られた動作を目的にしているため、システムもシンプルに作られています。しかしながら、消灯のタイミングを変化させたり、点滅動作を行わせたりするなどの複雑な動作を実現したい場合、その変更は容易ではないでしょう。
こうした要望を実現することができるのがGravioです。Gravioでは、点灯時間の設定を頻繁に変更したい、複数の人感センサーをもとにライトを点灯制御したい、人感ライトの点灯回数データそのものを取得したいといった動作の設定・変更・拡張を簡単に行えます。
※テクノ・システム・リサーチ「2018年 ソフトウェアマーケティング総覧EAI/ESB市場編」より
まとめ
今回はGravioの特長について解説いたしました。
IoTを簡単に実現するためのミドルウェアとして、ぜひご活用いただければと思います。
次は、Gravioの基本的な機能と使い方についてご説明させていただきます。