【初心者が10分で実践するIoT・第二回】Gravio 4を使って、CO2の上昇をLEDライトで警告してみた!
導入
こんにちは。Gravio担当のアベです。
“初心者が実践するIoT“ということで、勝手にシリーズ化してブログを書いておりますが、今回が第二回となります。
第一回では、Gravioを使うためのソフトウエアのインストールと、CO2センサーのペアリング、収集したデータの確認を行いました。
まだ読まれていない方は、ぜひご覧ください。
【初心者が10分で実践するIoT・第一回】 Gravio 4でCO2センサーを設定してデータ取得する方法!|ブログ|簡単IoTをはじめるなら「Gravio(グラヴィオ)」!- Gravio (日本)
前回末尾にも記載しましたが、データが取れただけでは意味がありません。データをどう可視化して、便利に活用するか。が重要ですよね。
ということで、第二回以降では、データの活用というところにポイントを置きます。
引き続きIoT初心者のアベが体を張って実践、解説していきますので、温かく見守って頂けると幸いです(笑)
今回のテーマ
ずばり、今回のテーマはこちらです。
CO2センサーで「CO2濃度」を常時モニタリング、基準値1,000 ppmを超えると警告ライトで周囲に通知。適正値に戻るまで換気を行うことで、感染症の拡大リスクを低減するとともに、業務の集中力維持と生産性向上に貢献する。
CO2濃度モニタリングは、感染症が流行している現在では非常に重視されている観点です。当シリーズ第一回記事でもその重要性には触れています。
ちなみに、テーマで記載した「基準値1,000ppm」という根拠ですが、実は厚生労働省が感染症対策として提示している数字なんです。
2020年3月30日に厚生労働省から発表された『商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について』において、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議の見解に基づき、3密を回避する換気のあり方について解説されています。
この中では『ビル管理法』による基準も示されており、以下の記載がされています。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビ ル管理法)では換気回数ではなく、室内の一酸化炭素濃 度(10ppm)や、二酸化炭素濃度(1000ppm)の基準を 設定することで、居室の適切な換気量を確保することを求めている。
出典 厚生労働省WEBサイトより(2020年3月30日発表)
今回紹介をするGravio ライトを用いた「CO2濃度の可視化と通知」を行う上で、上記の基準を満たして、建築物における衛生的環境の確保を図ります。
衛生的な環境はもちろんですが、CO2濃度の適正値キープで生産性向上にも繋がるので、一石二鳥ですね。
Gravio ライトを活用して、データを可視化する
上の写真が、弊社で用意している、無償貸出のGravioライトです。
LEDで点灯しており、緑・青・黄・赤の4色に設定可能です。
CO2センサーと同じくらいのコンパクトサイズで、おしゃれでかなり見やすい色合いです。
輝度を変更する事も出来るので、写真の光が強すぎると思った方もご安心ください。(笑)
世の中に多くあるCO2センサーは、 CO2濃度の表示機能が一体になっている製品が多く、データを知るにはセンサー本体を確認しなければならないことがメリットでもありデメリットでもありますね。
Gravio ライトは、センサーと離れた場所にでも設置が出来ます。
例として、CO2センサーは部屋の角に設置して、ライトは人から見やすい位置に置くことが出来ます。
CO2以外でも、例えば人感センサーを室内に設置し、Gravio ライトは外の壁に設置しておけば、在室状況が一目分かる、ということも可能です。
ライトは見やすいので、少し離れた距離に設置してあっても光っている色が分かります。
また、点灯色は基準値を設けて変えることが出来ます。
警告なら赤色、注意なら黄色、適正なら緑色、などですね。
その基準値は、後ほど設定方法を説明します。
ということで今回は、CO2センサーのデータ内容に応じて、点灯色を変える設定を行います。
これを設定することで、データを眺めていなくとも、その空間のCO2濃度が一目で分かるようになります。
ライトを光らせていく基準ですが、今回のテーマで説明した基準に則って、
- 基準値オーバー(1,000ppm以上)なら、赤点灯で警告
- 基準値オーバーに近い(700ppm~1,000ppm)なら、黄点灯で警告
- 適正値(700ppm以下)なら、緑点灯
上記の基準で、点灯色を変える設定を行っていきます。
用意するもの
- Gravio Standardの契約
- 第一回記事の設定時に使用した、Windows 10対応PC
- 第一回の記事にて設定したソフトウエア(Gravio 4)
- ペアリング済み無償貸出CO2センサー
- 無償貸出Gravio ライト
今回行うこと
Gravio ライトをペアリングして、GravioHubKitにて点灯の設定を行います。
前回同様、Step毎に分けて説明します。
以上です。見慣れない単語が多いですが、それぞれ解説していきます。
ここでは、前回の記事でCO2センサーをペアリングしたのと同じ事を行います。
使用するPCにUSBレシーバーを接続することをお忘れなく!
無償貸出Gravioライトは、CO2センサーと同じ背面カバーをスライドして開けて、USB-Cにより給電します。
CO2センサーと同様、電源アダプターは付属されていません。お手元のものをご利用いただくか、PCから直接給電してください。
Gravioライトが用意できましたら、GravioStudio 4を起動し、前回設定したGravio HubKitをダブルクリックして接続します。
そして、前回同様に右上のデバイスアイコンをクリックします。
Zigbeeをクリックして、ペアリングをクリックします。
※この時、前回の記事でペアリングしたGravio CO2センサーは既に表示されているハズです。もし表示されていなければ、しっかりと電源に刺さっているかをご確認ください。
ペアリングをクリックすると、カウントダウンが開始します。
その間に、Gravioライト背面のボタンを長押ししてください。Gravio ライトが青に点滅し、ペアリングが出来れば緑点滅に変わります。
これで、1. は完了です。
ちなみに、第一回記事で行ったエリア/レイヤーの設定ですが、今回は不要です。
データ収集をするセンサーのみ、エリアとレイヤーの設定が必要となります。理由としては、センサーデータを保存しておく上で、区分けが必要になるからです。区分けをしておかないと、データを保存した後でバラバラのデータが一挙に溜まって整理できない状態になってしまいます。
一方で、Gravio ライトはデータを収集するセンサーではなく、LEDを光らせるだけの表示専用デバイスだからです。
Gravioで言うところのアクションとは、センサーの値が、後ほど設定するトリガー(基準)を満たした時に行う挙動のことです。
つまり今回で言うと、CO2濃度が1,000ppm以上だった場合(これがトリガー)に、Gravioライトを赤色に光らせる(これがアクション)ということになります。
ということで、アクションを設定します。
今回は、3種のトリガー(基準)に応じて光る色を変えるので、3種のアクションを作ります。
今回のアクションの設定は簡単なので、1種のみ解説しますね。
右上の「アクション」アイコンを押し、「全てのアクション」を開きます。
アクションページの右上「+」アイコンをクリックします。
新しいHubKitアクションというウインドウが開きますので、任意のアクション名を入力します。
3種のアクションを作るので、分かりやすいものにすることをお勧めします。
作成したアクションをダブルクリックで開き、設定を行います。
コンポーネントライブラリでは、このアクションでどういう挙動を行うかを表すアイコンが並んでいます。今回は、Gravio ライトを光らせるので「Gravio Light」を選びます。
Gravio Lightを選択すると、それに対する挙動の詳細を設定できます。
今回は、「赤に光らせる」というシンプルなものなので、下記のように設定します。
ちなみにこの画面では 、ペアリング済みの全Gravio ライトに対して、同じ動作設定をさせたい場合の入力例です。
Gravio ライトを複数ペアリングして、バラバラに個別使用したい場合は、物理デバイスID欄に、デバイス毎に付与されている「物理デバイスID」を記入すればOKです。
あらかじめデバイス一覧画面にて、使用する全Gravio ライトをペアリングし、それぞれ識別し易いようにデバイス名の変更をお勧めします。
(例:部屋1用、部屋2用 、etc..)
右に記載されている物理デバイスIDをコピーしておきます。
そして、アクション設定画面の物理デバイスID欄に、動作させたいデバイスのIDをペーストします。
こうすることで、指定したライトのみ光らせることが可能になり、部屋ごとにCO2センサーを設置し、部屋ごとの状況を個別に可視化したい場合などに活用できます。
ここまで入力できれば、アクションの設定が完了です。
今回は一つしか解説していませんが、上記と同様に残り2つのアクションを設定しました。
- CO2が700ppm以下
- CO2が700ppmより大きく、1,000ppmより小さい
- CO2が1,000ppm以上
この3つになります。それぞれ、光るカラーを変えています。
では、次はトリガーを設定していきます。
トリガーの説明は、2. で記載しましたが、○○というアクションを行う「基準」のことです。
アクションは 2. で設定が完了しましたので、そのアクションを動かすための設定を「トリガー」で行っていきます。
トリガータブをクリックし、右上の「イベントトリガー」アイコンをクリックします。
ここで表示されるウインドウで、トリガー設定を行います。
トリガー名は分かりやすい名前にすることをお勧めします。
「エリア」に関しては、CO2センサーが登録されているエリアを選択します。今回私の環境ですと、オフィスになります。
下部で各種条件を設定します。
「時間」タブですが、今回は設定を省きますので初期状態で結構です。
続いて、「条件タブ」です。
キーレイヤーは、事前に設定したレイヤーから選びます。
このトリガーを動かすための鍵となるレイヤーのことですね。今回は、CO2を選びます。物理デバイスID欄はそのエリアに紐づいたセンサーを選ぶことが出来ます。
CO2というレイヤーには、一つのCO2センサーしか紐づけていないので、選択肢は一つしか出ません。
そして、その下の欄は、このトリガーが動作する基準値の設定です。
今回は、3種の基準を設定すると最初に記載しました。
ですので、それに合う内容に設定していきます。
この例では、「CO2センサーの値が1,000ppm以上の場合」という設定を行いました。
基準が700ppm~1,000ppmの合は、「>」や「<」などの演算子ではなく、範囲という選択肢を選び、700~1,000という範囲を設定することが出来ます。
最後は、「アクション」タブです。
ここでは、今回設定しているトリガー(基準値)を満たした時、どのアクションを行うか?という設定になります。
私の例ですと、「CO2が1,000ppm以上の場合」という基準にしているので、アクションは、「Gravio ライトを赤く点灯させる」ですね。
アクションは、2. で設定済みですので、対象のアクションを選択してください。
これでトリガーの設定は完了です。最後に右下の保存を押すことをお忘れなく!
トリガーの追加が完了すると、トリガータブで確認出来ます。
右の状態欄のスイッチを「オン」にしてください。
そうすることで、このトリガーが動作します。
今回は一つしか解説していませんが、2. と同じように、残り2つのトリガーを設定しています。
上記まで完了すれば、実際に動くかどうかテストしてみましょう!
1. CO2濃度が700ppm以下の場合
2. CO2濃度が 700ppm~1,000ppm の場合
3. CO2濃度が1,000ppm以上の場合
このように、データビューアと合わせて確認したところ、正常に動いていることが確認出来ました!
まとめ
今回行ったことはこちらです。
- 無償貸出Gravio ライトをGravio HubKitにてペアリング
- Gravio ライトを点灯させるアクションの設定
- Gravio ライトを点灯させるトリガーの設定
これでデータを取れるだけでなく、かなり簡単にデータを可視化できるようになりました。
アクションとトリガーの設定も、特に難しいポイントは無いので、初心者の私でもかなり簡単に行えました!
PCの画面を眺めなくても、Gravio ライトの色だけでその部屋の状態が分かるので、「換気が必要かどうか」「密になっていないか」といった判断を手軽に行うことが出来ます。
前半でも書きましたが、世の中一般のCO2センサーでは、センサーそのものを確認する必要があり、利便性に欠けます。
Gravio ライトを使えば、複数のライトを連携し、設置の方法次第でどこにいても一目でCO2濃度が分かるので、非常に便利です。
見やすいライトが光っているので、ある程度遠くからでも見えますしね。
今回はCO2センサーとの連携での活用方法を説明しましたが、他にも人感センサーなどとGravio ライトを連携し、部屋に人がいるかどうかをライトで可視化したりというような様々な使い方が可能です。
実際の事例として、レノボ・ジャパン合同会社様で運用して頂いています。
ということで、第二回は終了となります。
第三回は、データの可視化をより便利に!という切り口で、新たな手法を紹介します。
是非、ご期待ください!
その他参考資料