2023年7月新Gravioをリリース!専用クラウド提供による多拠点のデータ統合や収集データの種類も拡大しました。変更点をご紹介。
皆さんこんにちは、Gravioチームのアベです。
タイトルの通り、2023年7月に新Gravioをリリースしました。メジャーアップデートとして、製品コンセプトをブラッシュアップし、大幅に機能強化いたしました。
本ブログでは、新Gravioの変更点をご紹介させていただきます。
変更点ハイライト
新Gravioリリースにおける大きな変更点は「ノード統合プラットフォーム」へとコンセプトが変わったことです。
今まではAI/IoTエッジプラットフォームとして、カメラAIやIoTセンサーを用いて現場のデータをエッジで収集・処理して活用することができるサービスでした。
新しいコンセプトである「ノード統合プラットフォーム」では、様々な現場に存在する多種多様なデータを収集・活用できるようにしていく、という考えから、あえてAI/IoTに限定せず、「現場データ」としてより幅広くお使いいただけるようにいたしました。
現場に存在する多種多様なデータを扱えることで、今まで提供していたセンサーやカメラに加えて、新たにデータベースへの接続やMQTT等のプロトコルへの対応、ファイル連携などに対応しております。
そして、「ノード統合」という概念ですが、イメージ図でご紹介します。
ノードという言葉は、「結び目」「集合点」などという意味ですが、Gravioにおいては、データの収集・処理を担う環境をノードと呼びます。
エッジ(現場)側では、各PCやゲートウェイなどがノードとして存在します。もちろん、現場が複数箇所にある場合はノードも複数になります。ノードでは、その付近に存在するデータの収集・処理を行っています。
そして、クラウド側(Gravio Cloud)ではすべてのノードの管理とデータの集約・可視化を行うことができます。
すべてのデータを集約するクラウドが中心にあり、その下に現場のデータを一次処理するノードがあり、ノードには各データが繋がっている、というイメージです。
クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングの「良いとこ取り」 、と捉えていただいても差し支えありません。
以上が新Gravioのコンセプトです。今回のメジャーアップデートで、Gravioが利用できるエリアが更に広がるだけでなく、より便利にお使いいただけるようになっております。
すべてのノードのデータを集約・活用できる専用クラウドサービスとして、「Gravio Cloud」を提供開始いたしました。
各ノード側のデータは自動でGravio Cloudに同期されるため、非常に簡単にお使いいただけます。
可視化については、「統計機能」としてダッシュボード作成の機能がございますので、以下のようなデータ可視化を簡単に実現することができます。
他にも、同期されている各ノードデバイスの稼働状況を確認することもできるため、遠隔での監視が可能になっています。
こちらのGravio Cloudは弊社が提供するクラウド環境ですが、お客様要望に応じてオンプレサーバーや独自クラウド等にて運用することも可能です。その際は、「Gravio Coordinator」というソフトウェアをご提供させていただきます。
冒頭でデータベースへの接続が可能になったとお伝えした箇所がこちらです。
こちらは、接続するデータベースの種類によってコンポーネントも分かれています。
接続できるデータベースは今のところ3種類です。(MySQL、PostgreSQL、MicrosoftSQL)
どのデータベースにも、2種類のコンポーネントが用意されています。
- Query:クエリ文を実行してデータを取得できます。
- Exec:SQL文を実行してデータを追加/更新/削除することができます。
接続先によってコンポーネントは違いますが基本操作は同じですので、MySQLを抜粋してご紹介します。
MySQL Queryコンポーネント
基本的には、SQLの欄に実行するクエリ文を指定し、緑に色がかかっている各項目には接続先のデータベース情報を指定します。データを取得できるコンポーネントですので、特定のテーブルの特定の条件のデータはあるか?を参照し、取得します。
取得したデータをコンポーネントのStep2以降で活用できるため、LEDマトリックスに表示したり、音声で読み上げたり、外部システムへHTTPリクエストで連携したり、様々な動作が実行可能です。
MySQL Exec コンポーネント
基本的なプロパティの内容はQueryコンポーネントと大きく変わりませんが、Execコンポーネントではデータベースへのデータの追加、更新、削除などを実行できます。
実行後に得られる結果としては以下の通りです。
- 実行したSQL文がINSERT文だったときに、データベースによって生成されたIDが取得できた場合にLastInsertIdという値が返されます。
- 実行したSQL文によって影響を受けたレコード数を返します。例えば、DELETE文だったときに削除された行数が戻ります。
Text2SQLとは?
上述したQuery、Execのアクションいずれもですが、Text2SQLという機能があります。これは、OpenAIのChatGPTの機能を使用して取得したいデータをプロンプトに入力した日本語からSQL文を生成できる機能です。
以下の画像のように、日本語で指示文を書いて「Generate」を押すだけで、自動でSQL文が生成できます。
ChatGPTを活用した便利機能としてお使いいただけると幸いです。
※ご利用にはOpenAIのAPI KeyとOrganizationIdを取得する必要があります。(有償)
昨今話題のChatGPTを始めとするOpenAIに関連するコンポーネントが追加されました。指定したプロンプト通りに回答や画像、テキスト等を受け取れるものとなっています。どのコンポーネントもOpenAIのAPI KeyとOrganizationIdを取得する必要がありますのでご注意ください。
OpenAI Chat
ChatGPTの機能を活用し、指定したプロンプトから得られた回答を活用することができます。
以下のように、直打ちでプロンプトを入力することもできますし、Gravioならではのセンサーデータをインプットデータとすることもできます。以下の画像では得られたテキストデータをCSVに書き出していますが、この部分は様々な活用が可能です。
OpenAI Image
DALL-Eという画像生成サービスを活用し、画像を生成することができます。作成された画像データはGravioのアクションデータフォルダーに保存されます。以下の画像では、プロンプトを日本語で直打ちしていますが、例えばStep1に「OpenAI Chat」コンポーネントを配置し、プロンプトを作成してもらってそれを元に画像生成させるような複合動作も可能です。
OpenAI Audio
自動文字起こしサービスであるWhisperを活用し、指定した音声ファイルから文字起こしを行う機能を使うことができます。テキストデータですので、以下のようにCSV書き出しやチャット連携など、様々な活用が可能です。
Gravioの人気機能であるメッセージ通知に、Chatwork連携が追加されました。
トークンとルームIDを指定するだけで使えるため、非常に簡単に設定できます。
これで、クラウド型メッセージサービスの対応一覧は以下の通りとなりました。
- Microsoft Teams
- Slack
- LINE
- LINE WORKS
- Chatwork
まとめ
以上が、新Gravioのリリースハイライトです。
やはり特に大きいのは、新しいコンセプトによる機能拡充と弊社オリジナルクラウドサービスの提供開始、というポイントですね。
今後も引き続き、各項目についてのブログコンテンツなどを拡充していきますので、ご期待ください。