<無償貸出しスタート>データを取得するセンサーに加えて、制御デバイス「スマートライトGravioライト登場! 動作はシンプルだが利用シーンは実に広い。とことん使いこなす設定方法を一挙ご紹介!(その2)
Gravio担当のオバタです。
前回Gravioライトの接続方法や点灯/消灯など、基本の設定方法をご紹介させていただきました。
今回はさらに、Gravioライトの点灯色4色を使い分ける方法、2個以上のGravioライトを別々に制御する方法など、とことん使いこなすための設定方法をご紹介させていただきます。
複数のアクションを組み合わせますので難しいそうに見えますが、コツさえつかめば大丈夫です。
- Case05 温度によってGravioライトの点灯色4色を使い分ける
- Case06 センサーデータが○分間来なかったら消灯する
- Case07 複数のGravioライトを、すべて同じ動作設定をさせたい
- Case08 複数のGravioライトを、バラバラに個別の動作設定をさせたい
Case05
温度によってGravioライトの点灯色4色を使い分ける
例:
温度が、35度以上=赤、30度~35度=黄、25度~30度=青、25度未満=緑に点灯する【データの条件分岐にフォーカス】
作業のポイント
アクション設定画面から「CreateRecord」「Branch」「GravioLight」の3つのアクションを使い、4つの温度分岐条件とそれぞれに紐づくサブアクションを作成します。
さらに、デバイス設定画面からGravio ライト動作のキッカケとなる「トリガー」を作成するという流れとなります。
作業の流れ
(1)センサーの値を分岐条件とするための事前準備をします
アクション設定画面で、画面右上「+」をクリックして、新規アクションを作成します。
「ステップの追加」で「+」をクリックし、コンポーネントライブラリーから「CreateRecord」アイコンを選びStepを追加します。
Stepに追加されたアイコンを選び、左側にある「アクション変数」を開きます。
画面右の「ステップ出力」右側の「+」をクリックして、新しいステップを追加します。
ダブルクリックして「出力フィールドの編集」画面にして、
- 「出力フィールド名」を「Data」
- 「タイプ」を「Int」
- 「式」を「av.Data」に上書き修正して
「更新」ボタンをクリックして「Data= av.Data」と変更されていることを確認します。
(2)考え方~分岐条件とは
ここから点灯色4色を使い分ける分岐条件を4つ入力していきます。
例として、温度が高温になるほど、35度以上=赤、30度以上~35度未満=黄、25度以上~30度未満=青、25度未満=緑 という点灯設定を行います。
設定のポイントは、4つの分岐条件を、左から右へ順に作成します。
つまり、
- 35度以上の場合
- 該当しない場合(30度以上~35度未満を意味する)
- さらに該当しない25度以上の場合(25度以上~30度未満を意味する)、
- さらに該当しない25度未満の場合
という具合に分岐条件を作成するのです。
(3)4つの分岐条件とそれぞれのサブアクションを作成します
では作成していきましょう。
まず「ステップの追加」で「+」をクリックし、アクション選択肢から「Branch」アイコンを「選択」してStep追加します。
Stepに追加されたアイコンをダブルクリックして、4つの分岐条件を順次追加していきます。
1. 一つ目の分岐条件と実行されるサブアクションを設定します。
分岐条件を追加するには、「ステップの追加」で「+」をクリックし、Stepに一つ目の「BranchCase」を追加します。
Stepに追加されたBranchCaseアイコンを選び、左側にある「プロパティ」を開くと表示される右側の「プロパティ」の「条件」に条件(温度が35度以上の場合を意味する)「sin.Data>=35」と入力します。
次に一つ目の分岐条件の場合に実行されるアクションを設定します。
StepにあるBranchCaseアイコンをダブルクリックして、「ステップの追加」で「+」をクリックし、Action選択肢から「GravioLight」アイコンを「選択」してStep追加します。
Stepに追加されたGravioライトアイコンを選び、左側にある「プロパティ」を開くと表示される右側の「プロパティ」で、「IsOn」にチェックをいれ(初期値)、「Hue」は「Red」を選択し、「明るさ」は一番明るい「255(初期値)」を設定します。
画面上のメニューバー内の「Step」をクリックすると上位の「BranchCase」設定画面へ戻ることができます。
すると「BranchCase」アイコンの下に「GravioLight」アイコンが表示され、一つ目の分岐条件とそのアクションが無事設定出来たことが確認できます。
2. さらに二つ目の分岐条件と実行されるサブアクションを設定します。
上記と同様の手順となります。
BranchCase「プロパティ」の「条件」に条件(温度が30度以上~35度未満を意味する)「sin.Data>=30」と入力します。
この分岐条件の場合に実行されるGravioライト「プロパティ」は、「IsOn」にチェックをいれ(初期値)、「Hue」は「Yellow」を選択し、「明るさ」は一番明るい「255(初期値)」を設定します。
画面上のメニューバー内の「Step」をクリックして上位の「BranchCase」設定画面へ戻ります。
「BranchCase」アイコンの下に「GravioLight」アイコンが表示され、二つ目の分岐条件とそのアクションが無事設定出来たことが確認できます。
3. さらに三つ目の分岐条件と実行されるサブアクションを設定します。
上記と同様の手順となります。
BranchCase「プロパティ」の「条件」に条件(温度が25度以上~30度未満を意味する)「sin.Data>=25」と入力します。
この分岐条件の場合に実行されるGravioライト「プロパティ」は、「IsOn」にチェックをいれ(初期値)、「Hue」は「Blue」を選択し、「明るさ」は一番明るい「255(初期値)」を設定します。
画面上のメニューバー内の「Step」をクリックして上位の「BranchCase」設定画面へ戻ります。
4. さらに四つ目の分岐条件と実行されるサブアクションを設定します。
上記と同様の手順となります。
BranchCase「プロパティ」の「条件」に条件(温度が25度未満を意味する)「sin.Data<25」と入力します。
この分岐条件の場合に実行されるGravioライト「プロパティ」は、「IsOn」にチェックをいれ(初期値)、「Hue」は「Green」を選択し、「明るさ」は一番明るい「255(初期値)」を設定します。
画面上のメニューバー内の「Step」をクリックして上位の「BranchCase」設定画面へ戻ります。
これで4つの分岐条件「BranchCase」アイコンとその配下にそれぞれのアクションが設定されました。
参考:av=Action Variable、sin=Step Inputの略となります。
(4)キッカケとなる「トリガー」の作成
デバイス設定画面の下部「トリガー」タブをクリック、画面右上「+」をクリックして「デバイストリガーの追加」を作成します。
- 「トリガー」名は、分かりやすいようにリネームをオススメします。
- キッカケとなるセンサーを「エリア」と「レイヤー」から選びます。
- 「アクション名」は、上記で作成したアクション名を選びます。
- 「インターバル間隔」は、「5(初期値)」
- 「閾値(しきいち)によるトリガーを使用」は、「グレーOFF(初期値)」
- 今回の例は、温度センサーなので「温度」は「任意の値」を選ぶことで、温度が少しでも変わるたび(データを送信するごと)にGravioライトが4色のうちいずれかに点灯します
「保存」をクリックしてトリガー作成は完了です。
最後に「状態」のスライドバーをクリックして、トリガーを「有効化(緑色)」させることをお忘れなく。初期値では無効になっています。
Case06
センサーデータが○分間来なかったら消灯する
例:
会議室に入室後、人感センサーからデータが○分間来なかった場合に消灯する【データがないときの処理にフォーカス】
例えば、無償貸出しの「人感センサー」を使って会議室の利用状況を可視化する場合、会議室に取付けられたセンサーは入室時に「人がいる」というセンサーデータを送信するのでGravioライトを点灯できます。
しかし「人がいない」というデータは送信しないセンサー仕様のためそのままでは消灯が出来ません。
そのため、しばらくデータが来なかったら「人がいないだろう」と判断するロジックを加える必要があります。
なお、他社製人感センサーには、人がいないというデータを送信するタイプもあります。
作業のポイント
アクション設定画面で「SensorDataDB」を選択し、センサーから送信された直近データの有無をチェックし、無い場合に「人がいなくなっただろうと判断する」アクションと、その場合に実行される「Gravio Light(消灯する)」アクション、この2つのアクションを作成します。
さらにデバイス設定画面で「Timer」を使ってデータ有無をチェックする頻度を設定します。
作業の流れ
(1)Gravioライトを消灯するアクションの作成
アクション設定画面で、画面右上「+」をクリックして、新規アクションを作成します。
「ステップの追加」で「+」をクリックし、Actionの選択肢から「GravioLight」アイコンを選択してStepを追加します。
Stepに表示されているアイコンを選び、左側にある「プロパティ」を開き、「IsOn」のチェックを外して「消灯する」設定をします。
(2)消灯するための「人がいなくなっただろう」と判断するアクションの作成(人感センサーから直近○分間データが送信されない場合は消灯する)
アクション設定画面で、画面右上「+」をクリックして、新規アクションを作成します。
「ステップの追加」で「+」をクリックし、Actionの選択肢から「SensorDataDB」アイコンを「選択」してStepを追加します。
左側の「ステップ変数」の「矢印アイコン」をクリックして「ステップ出力」に式が表示されることを確認します。これを忘れるとアクションが実行されないのでご注意下さい。
Stepに表示されているアイコンを選び、左側の「プロパティ」を開きます。
- 対象となるセンサーを「エリアインデックス」「レイヤーインデックス」「デバイスインデックス」から選択します。
この例は「人感センサー」を使った会議室の利用状況の可視化なので、「人感センサー」を選びます。 - 「取得件数・取得時間」で「○」分と入力し、「単位」で「Minutes(分)」を選択することで、直近○分間をさかのぼってセンサーデータの有無をチェックします。
つまり、ここでデータが0件であれば、直近○分間は人感センサーからデータ送信されなかった=「人がいなくなっただろう」と判断します。
設定のコツですが、会議などでじっとしていて参加者が全く動かない場合は、人感センサーがデータ送信しない場合があります。
ですので、5分間くらいを設定します、ただし、あまり長くするとその分、人がいなくなった場合の反映に時間がかかってしまいますのでご注意下さい。 - 「送信元ID」は空欄。「すべてのデータを取得」と「Enable Time Rounding」はチェックを入れない。
左側の「例外処理」を開きます。
- データが送信されなかった場合に「No Record」の例外が起きるので、そのときに消灯するアクションを実行するように「Goto action」にGravio ライト消灯アクションを選択、設定します。
(3)データ有無のチェックするアクションの実行頻度の設定
デバイス設定画面で画面下「タイマー」タブを選択して「タイマーの編集」画面を表示します。
- 「タイマー名」は、分かりやすいようにリネームをオススメします。
- 「アクション名」は上記で作成したチェックアクションを選択します。
- 開始日時は、そのまま(初期値)でOK。
- 「繰り返し」は「分ごと」を選択
- 「毎」は、例えば「1」分ごとに設定。 1分ごとに「人がいなくなっただろう」と判断するアクションを実行します。
- 「繰り返し終了条件」は「終了日設定なし」に設定します。
「保存」をクリックしてタイマー作成は完了です。
最後に「状態」のスライドバーを移動して、タイマーを「有効化(緑色)」させることをお忘れなく。初期値では無効になっています。
Case07
複数のGravioライトを、すべて同じ動作設定をさせたい
作業の流れ
Stepに追加されたGravio Lightアクションのプロパティ設定の「Light選択式」を「空欄(初期値)」とすることで、ペアリングされたすべてのGravio ライトが同じ動作を行います。
Case08
複数のGravioライトを、バラバラに個別の動作設定をさせたい
作業のポイント
デバイス設定画面からペアリングされているGravio ライトを別々にリネームし、アクションGravio Lightのプロパティ設定の「Light選択式」を、リネームした名称を選択することで個別の動作設定を行うことが可能です。
作業の流れ
複数のGravioライトはすでにペアリングされていることとします。
そこで、リネームをそれぞれするために、デバイス設定画面の「シリアルアイコン」をクリックし「接続されているデバイス」画面の「編集」ボタンをクリックします。
するとペアリングされているデバイスがハイライトされ編集可能になります。
個別に動作できるように別々の名称に「Gravio Light」をリネームします。
例えば、Gravio Light1、2、3などの番号でも良いですし、Entrance_Lightなどでもかまいません。 区別がついて設置場所がイメージしやすい名称をオススメします。
なお、リネームした名称はメモ帳アプリなどにコピペして控えておくと便利です。
アクション設定画面でStepに追加されたGravio ライトアクションのプロパティ設定の「Light選択式」に「リネームした名称」をテキスト入力します。
最後に
Gravioは、センサーデータを収集し、分析して、さらに通知やデバイス制御をカジュアルに行えることが特長です。
今回Gravio ライトが無償貸出デバイスに追加されたことで、他社製認証済スマートライトを探さなくても、スマートライトの制御が簡単に出来るようになりました。
センサー設置場所に近い周囲の方に、注意を喚起したり、4色でステイタスを知らせたりなど誰でも一目瞭然に通知が出来るのが、このGravio ライトの一番のメリットだと思います。
ぜひ皆さんの、オフィスで、店舗で、飲食店で、プライベートで、カンタン・カジュアルIoTのGravioを始めてみませんか。