<Gravioユースケース>扉開閉センサーとIoT対応電光表示板を使って、新型感染症への対策をあれこれ考えてみた(パート2)
Gravio事業部のタルミです。
新型感染症対策として「手指の消毒」は非常に重要ですが、今回は顔認証などのAIを利用しなくてもできる対策をご紹介したいと思います。
以前からフードサービスやメディカルサービスなどでは、アルコールや消毒液による手指の滅菌は一般的でしたが、昨今は至るところ、オフィスや小売店舗などでも設置されるようになりましたね。
しかしながら、需要の急増からアルコールや消毒液の品不足といった問題が発生し、また、設置した噴霧器の盗難なども発生しています。結構頑丈にワイヤーロックされている噴霧器を見たことがある方は少なくないと思います。さらに、今まで利用していなかった人々に対して、どのように使っていただくか、これには「行動の変容」が必要になってきていますね。
実際、日用品の買い物で近くのスーパーに行った際に見ていましたが、ざっくり10人いたら消毒液を使っている人は2−3人、といったところです。(消毒で手が荒れるから嫌だ、という話も耳にするので難しい部分もありますが、スーパーでものを買う際、手にとったものを戻す方って意外と多いですよね。。。これも観察していて気づきました)
その「行動の変容」を「IoT・テクノロジー」によってすこしでも促すことはできないか、という問題に対し、弊社のグローバルセールス担当社員(香港在住)がエッジウェア「Gravio」を活用したアイデアを紹介しております。原文は英語ですが、かいつまんでご紹介したいと思います。
弊社が誇るオリジナルエッジウェア「Gravio」は、既存のPCにインストールして利用する気軽さ、認証済み無償貸出センサーとインテリジェントなGravioHub、GUIを用いた簡単な設計画面が、現場での「センシング」と「通知」を簡単に設定し、運用が可能となっています。
今回は、Gravioで消毒液噴霧器(サニタイザー)を積極的に利用いただくためのメッセージ発出をIoT対応のLEDライトおよびLED字幕表示機を使って行い、さらに消毒液の不足時にSMS(ショートメッセージ)を使って管理者に通知をする、というシステムをご紹介します。
しくみ
Gravioで提供している認証済み無償貸出センサーの
- 人感センサー
- 開閉センサー
を利用します。
どちらもZigbee接続で、見通しの良いところであれば3−40mの無線通信が可能です。屋内ですと20m前後までは概ね電波が届きます(環境によって異なります)。
また、前回もブログで書きましたが、「通知」には様々な方法があります。今回はLaMetric(TM)というIoT対応の電光表示板と、無償貸出可能なGravioライト(Zigbee接続)、およびSMSでの通知を利用します。SMSはクラウドサービスであるTwilio経由で発出します。
Gravioライトのほかに、IKEAさんのスマートライトや、PhilipsさんのHueなども駆動できますよ。また、SMSの代わりにLINEやSlack、MS Teamsをお使い頂くことも可能です。
このあたりは利用者の都合に合わせて選んで頂ければOKです。
ここで重要なのは噴霧器の仕組みです。基本はポンプを手動、もしくは電動で動かすもの(手を差し伸べると動く)が一般的なのですが、あいにく電動ポンプ型が香港でも品切れだったようで、市中を探し回ってJoseph Joseph社の製品を見つけたので、こちらを利用することにしています。
要は「ポンプの動き」を磁石を使い、開閉センサーで検知できればよいのです。ここは「現物合わせ」になりますね。弊社の貸出センサーで提供している純正のマグネットが大きすぎたり、取り付けにくい場合は、100円ショップなどでネオジウム磁石などが販売されているので、そのようなものから、お手元の噴霧器に取り付けやすい磁石を選定頂ければ問題ありません。
また、振動センサーを使って噴霧器の利用状態を収集することも検証しましたが、一点問題がありました。それは、当初の目的である「消毒液がなくなった」場合の検知ができないことです。厳密にやるのであれば、液面センサーを利用するのが良いかもしれません。しかしながら、弊社の無償貸出センサーにはご用意がありません。また、仕掛けがどんどん大きくなってしまい、簡易的ではなくなってしまいます。そこで、今回は5回以上ポンプを作動させた場合(空に近づくと噴霧量が減るので、何回も押しますよね?)に、消毒液が無くなった、と判断させることにしました。
実際の動作はこちらの動画をご覧ください。
また、英語版になりますが、devpostに弊社香港メンバーが本ブログの元になりました寄稿をしておりますので、ご興味ございましたらそちらもご覧ください。
https://devpost.com/software/handsanitizer-gate
センサーというと、とかくファクトリーオートメーションの分野を想起しがちですが、実際には簡単に使えることと、現場のアイデアさえあれば、工場以外のオフィスやファシリティでも様々なことが「自動化」「省力化」できます。
CO2センサーと組み合わせて、会議室やオフィス内の「密」を避けるのもありでしょう。また、SMSの部分をE-mailに置き換えて、自動発注などに使うのもありでしょう。カッコよく言うのであれば、一昔前に流行った「Amazon Dash」ボタンに「エッジインテリジェンス」を加えた形です。もちろん人感センサーの情報や、噴霧器の利用回数の情報から、どのくらいの人が消毒に協力していただけているのか、といったデータも収集できますね。
ぜひ、皆様のオフィスやワークプレイスでもGravioをご活用いただき、IoTを身近に活用した「自動化」「省人化」「データの有効活用」を実現して頂ければと思います。