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2019-02-06

HACCP義務化に向けてカジュアルIoTを活用~食材の保存状態監視、手洗い励行、食材納入時の品質チェックなどのログをセンサーで取得しデータ化~

HACCP義務化に向けてカジュアルIoTを活用~食材の保存状態監視、手洗い励行、食材納入時の品質チェックなどのログをセンサーで取得しデータ化~

HACCP(ハサップ)対応の指針をおさらい

Gravio事業部のタルミです。食品系のオシゴトに従事したことがないのであまり知識、経験がないのですが、弊社IoT統合エッジウェア“Gravio”は、食品系のユーザーさんにも既に数多くご利用頂いています。また、イベントや展示会などで食品製造、卸、小売関連の方のお話とかを聞くこともありますが、工場でも、流通でも、店舗でも、比較的IT化が進んでないよ、という声が多いかなぁ、といった感じです。一方、以前ブログでも書きましたが、進んでいる工場はものすごいIoT活用が進んでいて、実際には両極端なのかもしれませんね。

そのような状況ではありますが、昨年、HACCP(Hazard Analysis andCritical Control Point)義務化に向けて法案が可決されましたね。オリンピックなどの関係もあるのでしょうか。ちょっと乱暴な言い方になりますが、要は“グローバルで導入されているHACCPを導入しなさい”とのことです。

※   HACCPとは、食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード;Hazard)を分析しそれを最も効率よく管理できる部分(CCP:必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法のこと。(ウィキペディアより)

そこで、HACCPのバイブル、とでもいいましょうか、厚生労働省のページを見てみます。

各食品に関する事業者団体さん達が精魂込めてお作りになられた、手引書一覧です。

見事なまでにフォーマットは不揃い(笑)。グローバル・スタンダードを目指しているものなのでてっきり同一の形態、ルール、フォーマットで作成されているものかと思いきや、そうでもなさそうですね。挿し絵に凝っているものもあれば、ファイルサイズが無茶苦茶大きいものもあり。こういうのは統一フォーマットで作ってもらったほうが嬉しいですね。どれを参考にしたらいいか迷っているうちに時間は過ぎていきました。

で、Gravioのユーザーさんでも比較的多い“一般飲食店”のHACCP手引き(衛生管理手引き)を参考にすることにしてみました。

本手引書によると

 

  1. 材料の状態(納入状態)
  2. 冷蔵、冷凍庫の温度確認(保存状態)
  3. 汚染対策(調理関連の器具類と店舗内清掃、手洗い励行)

 

以上の作業内容のログ、異常値の報告、対応、再発防止 が主に求められていますね。

実際には食中毒などへの対策といったところでしょうか。温度に関するモノと消毒関係の情報量が多い感じです(ものすごいざっくりと読んでいますので、間違いありましたらご指摘を)。

 

必要なデータをどう取るか?

入力方法のふるい分け(人が入れるか、機械が入れるか)

 

まず1の「材料の納入状態」の確認。

これは画像推論(傷んでいるかいないか)を利用したり、臭気センサーなどを利用して機械的に判断しようと思えば出来ますが、しくみが大掛かり、高価、運用が難しい、という問題がどうしても発生しますので、やはりここは人の五感をベースにしたほうが良いエリアでしょうね。食材の良し悪しを見分けるプロの調理師さんにお任せしましょう。

 

そしてHACCPのキモでもあるのですが、そのような材料の状態などのデータは、きちんと時系列化しておくことが重要です。このような入力を簡単に行う基盤として、弊社で提供している「Platio」という製品は、日頃使い慣れたiPhoneで食材の納入時の写真とあわせて状態を手軽に記載したりといった、人が入力する作業を一手間多いブラウザ−ベースではなく、ネイティブなアプリで実装可能です。使い勝手の良さ、ストレスの無さにこだわった設計ですので、現場で食材を受け入れる利用者様に気軽にお使いいただけるものに仕立ててあります。

同様に、消毒や清掃などにも、Platioを使うことが可能ですね。

飲食店のお手洗いによくある“○月○日、○○が清掃しました”という書き込み帳、このようなもののデジタル化に向いています。Platioはクラウド上で提供されるサービスなのですが、当然データのエクスポートが可能ですので、ログとして提出したりといった用途もサポートいたします。

 

ここで一つ気になることがあります。“入力を人がする”ということは、そのデジタル化を行う端末に人の手が触れることですよね。一説ではパソコンのキーボードの清潔度は非常に低いとも言われていますし、タブレットPCなどでタッチ入力をする場合も当然留意すべきポイントです。以前私がPC関連の仕事をしていたときですが、キーボードに“銀イオン”を練り込んだものとか、タブレットの表面が消毒用アルコールで払拭可能なモデルが用意されていて、サニタライゼーションに対して一定のニーズがあったことを記憶しています。、他にも手洗いなどの励行をデータ化するという方法もあるかもしれませんね。

 

今日はGravioのお話ですので、Gravioを使ってみましょう。

 

根本的な“手洗い励行”とかのログを取る、という感じであれば、手洗い場にそれぞれの社員専用のボタンを設置して、手を洗ったらボタンを押す、みたいな形で誰がいつ手を洗っているか、などというログは取得できます。この後説明しますが、Excelにデータを連携しておけば、いつでも手洗い励行リストとして提出できますね。

 

これは、いうならば、人の手入力と機械自動入力のハイブリッドな使い方です。

 

蛇足になりますが、ボタンそのものの“汚れ”が気になるのであれば、小さな箱に人感センサーを個別に入れておき、そこに洗った後の手を差し入れる、というのもありかもしれません。お手洗いにあるハンドドライヤーの無風バージョンみたいなものを想像していただければ良いかもしれませんね。これなら無接触です。Gravioの無償貸出センサーではボタンも人感もありますので、お好みにあわせてどうぞ。

 

繰り返しになりますが、“人が五感を使って入力するほうがいいもの”と“機械にまかせて自動でやるほうがいいもの”の落とし所がすごく重要です。力技でなんでもIoT化するのではなく、適材適所でうまく使えるところに入れていく、という考え方で進めていくことをおすすめいたします。

 

冷蔵庫の温度管理 〜センサーで温度データ収集をしてみよう

 

さて、自動的にデータが取りやすいところ、それは冷蔵庫へのセンサー設置です。

既に温度データ収集が可能な業務用冷蔵庫は販売されていますね。冷蔵庫側がデータのアップロードを行えるようであれば、その機能をお使いいただくことで対応が随分とラクになります。しかしながら、すべてのお客様が最新の冷蔵庫を利用しているわけでもありません。そこで、後付けで庫内温度をどう測るか、という仕組みを考えてみましょう。

 

今回は、実際に業務用冷蔵庫とは壁面の厚さ、材質が異なりますが、オフィスにある家庭用冷蔵庫で実証実験をしてみました。

写真を見ると“お酒だらけ”ですが、紛れもなく弊社のオープンスペースに設置されている冷蔵庫です(笑)

 

今回利用するセンサーは現在弊社が有償プランのGravioに対して無償で貸出提供しているもので、動作可能温度が -20度〜+50度となります。

これであれば、冷凍庫は無理ですが、冷蔵庫の温度データの収集は可能ですね。

センサーの設置画像

とりあえず単体のセンサーを冷蔵庫内に入れ、そのデータをGravioで受け取ります。

 

Gravio動作画面

無事にデータは受け取れていますね。

 

更に受け取ったデータをグラフに表示してみましょう。

GravioはExcelやGoogle Analyticsへの連携が可能なので、すぐにBIライクなグラフが作れます。Excelであれば、利用者側の負担も比較的低く抑えることができるでしょう。当然Excelにデータが入っていれば、ログとしても利用できます。

Excel作成の方法はQiitaでご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

温度センサーのデータをエクセルで簡単に表示(Qiitaへリンクします)

 

出来上がった温度変化グラフはこんな形になります。

Graph表示

 

データを受け取り、ログを取るだけだと面白くありませんよね。せっかくですから、問題が起きたら通知を行う仕組みもあわせて実装します。食材を多く発注しすぎて、冷蔵庫が完全に冷え切らない、とか、扉が完全に閉まらず冷気がもれてしまっている、など。停電が起きたときなどの状況変化なども見れますが、エッジ側のGravioをノートPCに実装し、停電時でもしばらく動作させるようにするとか、ネットワーク機器にUPSをつけておくとか、少し工夫が必要です。センサーそのものは電池で動作しています。

 

通知システムとして、今回は、毎度おなじみのSlackを利用してみます。

設定した温度を超えた場合にアラートを出す仕組みです。

 

このSlack設定を、特定の条件で動作させます。今回の場合は、設定した温度に達したらSlackで通知させるようにトリガーを設定します。

 

トリガーの設定はQiitaやマニュアルでも詳細がございますので、今回は設定の画面のみご紹介します。

で、このようにスマートフォンなどに状態が通知されるようになります。

  

庫内が広いのであれば、複数のセンサーを設置すると良いでしょう。BIツールがお好きな方であれば、ご利用中の冷蔵庫の冷え方特性なども測定できます(ヒートグラフとかサーモグラフを活用して、それぞれのセンサー位置の温度を図式化できますからね)。

 

また、半開き防止は家庭用冷蔵庫だとアラームが鳴る仕組みなどが付いているものもありますが、業務用の冷蔵庫だとわからないこともあるかもしれません。その場合は開閉センサーをつけてあげればOKです。こちらも開いている状態が長くなったら通知を出す、という仕掛けをGravioで設定すればOKですし、営業時間帯の冷蔵庫の開閉回数や集中する時間などをあわせて分析することで、HACCPのもう一つのキモである“効率化”を図るためのデータとして役立てることも可能かと思います。 

冷凍庫内へのセンサー設置はハードル高し!是非ニーズをお聞かせください!

さて、冷蔵庫のセンサー設置はつつがなく終了。次は冷凍庫です。これは一気にハードルが上がります。というのも、冷凍庫の庫内温度での動作を保証するセンサーを弊社では現状無償貸出していないのです。そして、温度が低くなると電子機器、特にバッテリー関連は性能が劣化するので、温度測定部と基盤が離れたタイプの機材で測定する形が多くなります。

バッテリー、基盤は外、センサーの測定部だけ庫内、という実装方法です。

 

このような条件を満たす、冷凍庫内の温度が測定可能なセンサーってコスト高いんですよね。

 

そこで、このブログを通して、冷凍庫内のセンサーの必要性を皆さまに伺いたいと思います。

あわせて、こんなセンサーがほしい、というご要望など、Slack上にありますGravioコミュニティーに是非コメントをお寄せください。案件の内容、規模によっては検討したいと考えております。

まとめ

 

正直なところ、門外漢ではありますが、用意されている手引書を元にどういったデータが必要か、という観点でHACCPとIoTの関係を簡単に書いてみました。実態としては、このデータを取らないと意味がない、このデータはこう活用しないと意味がない、などのご意見、ご指摘も多々あろうかと思います。そのような“現場”における知見をお持ちの方々がIoTをカジュアルに利用していただけるよう、より簡単に、よりシンプルにやりたいことを実現できるプラットフォームとしてGravioをご利用いただき、手の届く(自分で実装できる)範囲、理解のできる範囲から“身の丈”にあったIoT利活用を行っていただけるよう、引き続きご提案してまいります。

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